技術者のビタミン・ニ週1冊「事業を考える」( Vol.43) |
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2008/09/08 月曜日 20:57:58 JST |
「ビジネスプラン」(広瀬幸泰/翔泳社)
私はいま、電動車用e-Engine事業を手がけています。
2012年度に、IPO化することを目標にしています。
自分の性格としては、直感型で考えるよりもやってしまうタイプです。
が、IPO化を目指すには、やはり紙に書き出して、多くの方に理解していただき、協力していただく必要があります。
頭にあることを紙に書き出して、人に説明してはまだ修正する。
その連続がこの1年間、続いてきました。
それでも、まだだめだと周りから言われています。
しかし、考えてみれば、これは当たり前のことかも知れません。
事業計画を書くには、いろいろな前提条件があり、やっていくうちに、状況が刻々と変わってきます。
ですから、この事業計画書は、これからもずっと見直し書き換えていかなければならないと思い始めています。
本書を読んで、感銘した言葉をいくつか紹介します。
- 周りに信頼されるためには、自分自身が事業計画に確信を持たねばならない。
- スタートアップ事業について、まずは「自分1人で何かできるか」から考えて始めることが大切です。
- 顧客はまず、価格を気にします。
「割高」だと思えば、手を出しません。
安すぎると、ビジネスは長続きしません。
- 初期の顧客は事業立ち上げ時だけではなく、発展期においても大きな実りをもたらしてくれます。
顧客の基盤を広げていくために欠かせない顧客です。
- 初年度で大切なのは小さくても確実に売上をあげることです。
- 事業のうまみはリスクとリターンのバランスにあります。
リスクが大きすぎるとうまみがなくなり、リータンが少なすぎてもうまみがなくなってしまう。
- 一番ばかばかしいことは、技術先行型で始めるリスクです。
「いい商品を出せばきっと売れるだろう」と考えるのですが、誰かが買ってくれる保証など、どこにもないのです。
- 製品の完成度が低いうちは、直販で行いサポートを手厚くして、完成度が高まってくると、間接販売に移行して一気に稼ぐようにします。
- 順境は友を作り、逆境は友を試みる。事業の順調な成長が見えなくなると、ウマが合うと思って採用した幹部でも去っていくことがあります。
筆者プロフィール
氏名: 楊 仲慶(ヤン ツォンチン)
生年月日: 1962年6月1日
出 身 地: 中国浙江省
略歴:
1983年7月: 中国浙江大学電気工学部 卒業
1990年9月: 東京工業大学電気電子工学科博士を取得
1990年10月: 東洋電機製造(株)技術研究所入社
1994年1月:
東洋電機製造(株)退社
1993年7月: マイウェイ技研(株)設立
1999年11月: 西安交通大学 特聘 教授
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