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今年も開催「みなとみらいスマートフェスティバル」その経済効果は?

今年も開催「みなとみらいスマートフェスティバル」その経済効果は?7月31日に横浜市のみなとみらいで開催された花火大会は、地元企業などが主体となった実行委員会によって、3年ぶりに開催された去年に続き今年も開催されました。  約2万発の花火が打ち上げられ、地元の飲食店やホテルなどに経済効果をもたらしました。  横浜市は、みなとみらい21地区の開発や事業活動がもたらす経済波及効果の推計を発表しており、2020年度には約2兆円の経済効果があったとされています。  世界的に有名な花火大会としては、シドニーの「ニューイヤーズ・イブ・ファイアーワークス」、モントリオールの「ラ・ロンドンド」、バルセロナの「マジカ・デ・ラ・メルセ」、ニューヨークの「マンハッタン・ファイアーワークス」などがあります。  これらの花火大会は、多くの観光客を集め、地元経済に大きな経済効果をもたらしています。
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お知らせ 再発刊に向けて準備中 大変ご迷惑をお掛け致しておりますがもう少しお待ちいただきます様宜しくお願い申し上げます。                                                                                                                           2023・1・1 横浜産業新聞編集部
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    ユーザ中心設計のすすめ(第13回)―一味違う?欧州車のシートベルト警告灯 プリント
    2008/09/07 日曜日 14:17:05 JST

    第13回は、欧州車のシートベルト警告灯に関する事例をご紹介します。

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    本編
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    先日「CITROEN C4ピカソ」というフランス車のミニバンに乗る機会がありました。
    エクステリアはもちろん、インテリアもオシャレで日本車とはだいぶ雰囲気が違うなぁと思いながら見ていたら、見慣れない表示に目が留まりました。 
           ui-080907-1.jpg
             C4ピカソのシートベルト警告灯

    これはシートベルトの警告灯なのですが、運転席、助手席に加えて後部座席の分も警告灯が設けられています。
    この車は7人乗りで、1列目に2人、2列名に3人、3列目に2人というレイアウトです。写真の状態では、2列目左側の人だけがシートベルトを着用しているので警告灯が消えています。 
           ui-080907-2.jpg    
                こんなレイアウトです

    日本車の場合、シートベルト警告灯は運転席と助手席で兼用であったり、車によっては運転席と助手席それぞれに設けられているのが一般的で、後部座席用の警告灯が設けられている車を見たことはありませんでした。 
             ui-080907-3.jpg
         日本車の場合(PASSENGER=助手席)

    この車が後部座席用の警告灯を設けているのは、欧州のメーカーの車であることが関係しています。欧州を含む諸外国の多くでは運転席、助手席に加えて後部座席の搭乗者にもシートベルトの着用が義務付けられており、違反者には罰則が科せられる他、事故時の保険適応額が減額となる場合もあるようです。

    日本でも、2007年の道路交通法改正で後部座席のシートベルト着用が義務化され、2008年の6月1日から施行されます。当面は高速道路でのみ違反点数1点の措置になるそうですが、安全面への配慮から日常的なルールになっていくのではないでしょうか?

    ルール改正によって、日本でも後部座席用の警告灯のある車が登場する日もそう遠くはないようです。

    ◆参考リンク:社団法人日本自動車工業会「安全運転講座」
       http://www.anzen-unten.com/home/safe/f004.html

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    解説
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    「ユーザの不満を見抜く」

    本編にもあるように今年の6月から後部座席もシートベルトの着用が義務化されました。これによって今後発売される自動車には、後部座席も含めたシートベルトの警告灯が搭載されることになりそうです。ただしピカソの例のように、「どの席の人がシートベルトをしていないのか」と言ったことまで教えてくれるものがいきなりつくかどうかは不明です。

    さてこうした警告灯で良くありがちなのは、警告灯は1パターンの明滅しかせずに、どこか一つでもシートベルトをしていないと、「どこかの席の人がシートベルトをしていませんよ」としか教えてくれないものです。似たような例で、半ドアの時に点灯する警告灯があります。これも車種によっては、「どこかのドアが半ドア」と言うことしか教えてくれずに、警告灯に気付いても「どこのドアだ?」となって、車に乗っている人全員で「バタッ」「バタッ」と開けて閉め直すことになったりします。しかし最近の車種では、開いているドアの部分だけが赤く光るようになっており、すぐに無駄なく対応できるようになっています。
           ui-080907-4.jpg
        ドア警告灯例1.どこかのドアが開いていることだけが分かる
             ui-080907-5.jpg
        ドア警告灯例2.どこのドアが開いていることかまで分かる

    このように結果をみれば当たり前に思うことですが、「(どこかの)ドアが開いていますよ」とか「(どこかの席の人が)シートベルトを締めていませんよ」としか教えてくれないものしか世の中にない時に、「このドアが開いていますよ」や「この席の人がシートベルトをしていませんよ」という改善をしようと思いついたり取り組んだりすることは、意外と難しいものです。普段は自分で使っていてなんとなく不便に思っていても、いざ開発者の立場で考えるとそこに行きつく前に、新しい機能やもっと重要そうに見えることで、日常の不満ごとがなかなか上がらなかったりします。もし気づいたとしても、コスト対効果などを考えて2の足を踏んでしまったり・・・。

    ユーザ中心設計を効果的に実践すると、こうした日々の開発の中でも、日常の比較的見落とされがちだけど大事なことをうまく発見することが可能になります。もちろん対応の是非に関しては、他の新しい機能や重要な開発要件と合わせて、優先順位をつけることもできます。目を引くような新機能も大事ですが、実はこうした小さな積み重ねをしているかどうかが、ユーザの満足度を高め、メーカとしての信頼性を築くことに貢献します。

    ユーザ視点で付け加えると、半ドアに関しては、警告だけでは不十分で気付かず走行してしまうことも考えられます。音声を使ったり、そもそも発進をできなくするなど、もっと抜本的な対応が必要な気がします。

    ※本編部分は使いやすさ研究所<http://usability.novas.co.jp/>の使いやすさ日
    記(No.425)より一部加筆修正して転載。

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    【お知らせ】
    1. iPhone 3Gのユーザビリティテストレポートを発売しました。
    <ご案内サイト> http://ueyesdesign.co.jp

    2. 組込みエンジニア様向けに、ユーザ中心設計をテーマとしたセミナーサービスを開始しました。
    渋谷での開催に加え、9月は横浜でも開催します。

    <ご案内サイト> http://ueyesdesign.co.jp/ueyes-lc/course.html
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    ユーザ中心設計のすすめ(序論)ーこれからの開発力を身につける
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    筆者プロフィール
    龍淵 信

    tatsuibuchi.jpg1963年生、1986年法政大学工学部建築学科卒業後、工業デザインを勉強。
    1992年株式会社ノーバスに入社。2001年4月にグループ会社の株式会社ユー・アイズ・ノーバスの設立に参画。
    2005年10月グループ会社である株式会社U'eyes Design(ユー・アイズ・デザイン)の執行役員を経て、2007年10月よりノーバスの経営戦略室とU'eyes Designのシニアアドバイザーを兼務。現在に至る。
    携帯電話などのコンシューマ製品、公共機器、OA機器のユーザインタフェース開発およびユーザ評価・調査に数多くかかわり、特に自動車用システムは、ここ10年ほどで150ほどのプロジェクト実績を持つ。

    株式会社 U'eyes Design:
    http://ueyesdesign.co.jp
    usereyes.gif



     
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