技術者のビタミン・ニ週1冊「マネジメントの奥義」( Vol.41) |
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2008/08/12 火曜日 07:56:57 JST |
「マネジメントの奥義」(田坂広志/東洋経済新聞社)
この本を読んで、学生時代に恩師との葛藤を思い出しました。
恩師は、研究成果は新規性とストーリー性を厳しく求めました。
修士2年の時です。論文を書き上げて、恩師のところに持っていて、
「ストーリーができていない。新規性も薄く読む価値なし」の一言。
徹夜の実験や何度も原稿を書き直して、発表まで1年間を費やしました。
「あれは苛めで、何度もやめてやろう」と思ったことがあります。
今思うと、自分の文章力や論理思考力は随分鍛えられたのです。
また、恩師は学生に一時的に好かれることではなく、
学生の成長、将来を考えてやってくれたと気づきました。
今、私は、若手社員に対しても同じようなことをやっています。
努力しただけではなく、成果は何かを厳しく彼らに問いています。
ボーナス評価もやったことではなく、成果を出してから評価しています。
一部の社員が私の心情を理解できず去ってしまうことはやはりつらい。
しかし、5年後、10年後は必ず理解してくれると信じています。
本書を読んで、感銘した言葉をいくつか紹介します。
- 自分自身にとって最高の修練の場である職場の具体的な課題に没入することのないマネジャーが如何なる書籍によっても如何なる研修によっても最高の智恵を獲得することはない。
- 我々マネジャーは精神の厳しさを保持した「腹決め」が行うべきなのですが、精神の弱さから来る「腹決め」は決して行うべきではないのです。
- 成功の支えになるのは、企画の理論性でも詳細なデータでもなく、あらゆる創造性を発揮して困難を突破していこうとするマネジャーの強い決意である。
- 「部下のために」ではなく、「部下を動かすため」に行っていると感じた瞬間に、部下は「動かない」のです。
- 人材とは人間が育てるものではなく、自然に育つものになっている。
- 組織にはメンバーを成長させる空気というものがある。その空気を生み出す方法はただ1つ-マネジャー自身が成長すること。
- 心を込めて、真剣にぶつかること。十年の歳月を超えて互いに理解しえる時が、必ず来る。
筆者プロフィール
氏名: 楊 仲慶(ヤン ツォンチン)
生年月日: 1962年6月1日
出 身 地: 中国浙江省
略歴:
1983年7月: 中国浙江大学電気工学部 卒業
1990年9月: 東京工業大学電気電子工学科博士を取得
1990年10月: 東洋電機製造(株)技術研究所入社
1994年1月:
東洋電機製造(株)退社
1993年7月: マイウェイ技研(株)設立
1999年11月: 西安交通大学 特聘 教授
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