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「シニアで企業を育てる会」が横浜市と協働で発足 プリント
2008/08/03 日曜日 07:29:59 JST
成長に必要な業務を低コストで支援

■キャリア豊富なシニアを企業に紹介
企業の成長を手助けしてくれる人材を求める経営者と、キャリアを活かしたいシニア。この両者がドッキングすれば大きな力を発揮する。
しかし、現実はお互いに情報が交流しておらず、また両者が出会ってもミスマッチという壁もまた立ちふさがっている。
この両者の断絶を埋めようという試みが始まった。このほど、新横浜ITクラスター交流会委員長代行の中村忠氏(67歳)らが発起人となり任意団体の「シニアで企業を育てる会」(以下育てる会)が結成された。
定年や早期退職したキャリア豊富なシニアをIT企業に紹介し、その力を経営に積極的に役立ててもらおうというのである。シニアと企業との関係も「社員」という雇用関係が発生するものではなく、嘱託や顧問などのような「個人対企業」というフリーな関係を基準に考えている。
紹介するシニアは発起人の中村氏をはじめとした育てる会の人脈を当面は活用する予定。その大半は大手企業で専門的な仕事を行ってきたシニアばかりだという。
当面は新横浜のIT産業育成を目的に、エリアをある程度絞って取り組む予定。

■"仲人役"を立ててミスマッチを防ぐ
育てる会の一番の特徴は、ミスマッチを防ぐために仲人役がいることだ。これを中村氏らが務め、あらかじめ企業のニーズを汲み取り、その仕事に適した人材を人脈の中からあたる。そのうえで同会が開催するパーティに企業側とシニア側を招待し、そこでお互いにパートナーになれるかどうかを話しあってもらおうと考えている。
中村氏は「定年後もキャリアを活かしたいシニアは大勢いる。しかし、自分の力を発揮できる企業の求人情報がまったくない」と指摘する。

■コンサルや派遣など"人の雇用"には躊躇がある
育てる会は個人(シニア)が企業を応援するスタイルをとるので、互いに拘束されず、自由な立場なのでスタートしやすい。中村氏は企業側のメリットとして「嘱託や顧問として契約すれば社会保険は不要だし、また支払う金額もシニアはすでに退職しているので、常識的な額で考えれば月15~20万円程度で済むのではないか」とする。これはコンサルタントや人材派遣などに依頼するよりも極めてローコストで企業にとって魅力がある。
さらに、シニアの働き方についても「内容にもよるが、フルに出勤するのではなく、仕事を完成させるのに必要な日数だけ企業に出向くのが理想だ。たとえば週2~3日というように」と語る。

■横浜市も支援態勢で臨む

このシニアで企業を育てる会の活動について、横浜市も積極的な支援を表明している。経済観光局新産業振興担当の永田紳一課長は「若年層向けの人材開発は市で行っているが、シニアは手薄となっている。ぜひ頑張って欲しい。市としても協力を惜しまないつもりだ」とし、企業とシニアの交流会などがあれば協賛や後援をしたいという。
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                     写真左:市経済観光局新産業振興担当の永田紳一課長
                     写真右:新横浜ITクラスター交流会委員長代行の中村忠氏

■本紙は求人募集で支援

なお、横浜産業新聞を運営するNPO法人VMCYでは、シニアで企業を育てる会の趣旨に賛同し、IT企業のシニア向け求人募集を掲載するとともに、「企業とシニアの交流会」も同会と共催する予定です。

関連記事:紙上座談会「新横浜IT業界におけるシニア人材活用の現状と可能性」
http://www.hamabiz.jp/content/view/692/32/
http://www.hamabiz.jp/content/view/706/32/

問合せ先:http://www.hamabiz.jp/component/option,com_contact/Itemid,3/

NPO法人VMCY:http://www.vmcy.com/
 
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