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ユーザ中心設計のすすめ(第4回)-カーナビゲーションシステムの案内画面事例 プリント
2008/05/10 土曜日 11:52:43 JST
第4回は、カーナビゲーションシステムの案内画面に関する事例をご紹介します。
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本編
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タイトル:運転中表示の視認性の難しさ~カーナビの例

rs-ue-4-1.jpg
写真は私が愛用するカーナビで表示される交差点の案内画面です。右上の赤丸が指すように、左の道が一方通行のため進入禁止なんですが、私はこの画面を見ると、いつも一瞬直進方向が進入禁止なんじゃないかと焦ります。よーく見ると、ちゃんと脇道から標識が生えてるんですが、3D表示で奥から手前に近づいてくると、どうしても進行方向の情報のように思えてしまいます。また、普通脇道の標識はこっち向いてませんし。

ただ「こうすれば良い」、とか代案はすぐには浮かばないんですよね。本来進むべき道以外の情報なんで、ノイズといえばノイズなんですが、時々ナビの案内に逆らって進むこともあるので、無いのも困るし。標識がちゃんと現実の向きに即して描かれるといいのかも知れませんが、現状の描画能力(解像度)だとちょっと難しいかも知れません。通常の2D画面のように、道路自体に矢印が入ってるようにするという手もあるかもしれません。

いずれにせよ、運転中にあまり情報提示過多になるのは安全上問題があります。難しいですね。

※本機は7年ほど前の機種であり、07年のモデルで確認したところ、下記の写真のように標識が少し奥まった位置になりかつ標識の支柱が進入禁止側の道のほうに曲がっているなど若干の変更がされていました。十分かどうかは微妙なところですが、勘違いはかなりしにくくなっているように感じました。
rs-ue-4-2.jpg
 
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解説
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さて当然のことですがカーナビゲーションシステムの情報は、ユーザが運転しながら瞬時に確認し判断できることが重要になります。今回の進入禁止の標識は注意をしないと真正面の進行方向に対しての表示に見える可能性があることが、時と場合によってはどれほど危険な状態を招きかねないかは想像に難くありません。例えばここでまっすぐいけないものと思って左折をさせてしまったりしては、いったい何のための情報なのか分かりません。
真正面に向けて表示するのであれば、なぜ一方通行標識ではなく、現実世界と同じように直進と右折しかできない青い標識を表示しなかったのか意図は分かりませんが、少なくともこちらの方が致命的な勘違いは起こしにくいように思えます。
冒頭でも記述しているように、車載機器は運転しながらサブタスクとして使う(見る)ことを想定しなければならない分、ほかの一般的な機器とは異なった注意が必要になります。要件を定義する担当者からGUIをデザインするデザイナーまでこの意識を強く持って企画・設計し、効果的なユーザビリティ評価を適切なタイミングで実施し検証することが必須です。
※本編部分は使いやすさ研究所<http://usability.novas.co.jp/>の使いやすさ日記(No.134)より一部加筆修正して転載。

「ESEC第11回組込み開発技術展に出展のご案内」
来たる5/14-16に東京ビッグサイトで開催される、ESEC第11回組込み開発技術展に出展いたします(出展ブースNo.: 東ホール 東45-23)。
出展内容は、弊社が6月から開始するエンジニア向けの専門セミナー「エンベデッド開発技術講座」のご案内です。
弊社の20年近くの実績で培われたユーザ中心設計ノウハウを、惜しみなく注ぎ込んだ内容となっております。
詳しくは、以下のサイトをご参照ください。
講座案内:http://ueyesdesign.co.jp/ueyes-lc/course.html
U'eyes DesignのWebサイト:http://ueyesdesign.co.jp/

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過去記事
ユーザ中心設計のすすめ(序論)ーこれからの開発力を身につける
ユーザ中心設計のすすめ(第1回)-携帯電話のwebコンテンツ事例
ユーザ中心設計のすすめ(第2回)-バスの総合案内システムに関する事例
ユーザ中心設計のすすめ(第3回)-ハイブリッドレコーダーのGUI事例

筆者プロフィール
龍淵 信

tatsuibuchi.jpg1963年生、1986年法政大学工学部建築学科卒業後、工業デザインを勉強。
1992年株式会社ノーバスに入社。2001年4月にグループ会社の株式会社ユー・アイズ・ノーバスの設立に参画。
2005年10月グループ会社である株式会社U'eyes Design(ユー・アイズ・デザイン)の執行役員を経て、2007年10月よりノーバスの経営戦略室とU'eyes Designのシニアアドバイザーを兼務。現在に至る。
携帯電話などのコンシューマ製品、公共機器、OA機器のユーザインタフェース開発およびユーザ評価・調査に数多くかかわり、特に自動車用システムは、ここ10年ほどで150ほどのプロジェクト実績を持つ。

株式会社 U'eyes Design:
http://ueyesdesign.co.jp
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