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技術者のビタミン・ニ週1冊「仕事の成果は段取り力で決まる」( Vol.28) プリント
2008/01/28 月曜日 10:48:16 JST
「段取り力」(斉藤 孝/ちくま文庫)

物事は八割が段取りで決まるとよく言われる。
特に、職人の世界では、段取りは命である。
ここでいう段取り力とはスケジューリング力とイクールではない。
段取り力とは大筋を外さない力と優先順位をつける力のこと。
わが社を見ても、仕事のできる社員の段取りは明らかに違う。
彼らは仕事を着手する前に、完成イメージ、即ち仕様を明確にしている。
そして、事前に、必要な道具や資源をしっかり把握している。
さらに、他部署や協力会社に依頼すべきことは、要求仕様を明確にし、早めに依頼している。
要するに、仕込み・準備がしっかりできている。
これは、料理のレシピとまったく同じだ。
必要な素材は何か、手順は何か、仕上げはどうするか、などの段取りをしっかり抑えることだ。

本書を読んで、感銘した言葉をいくつかご紹介します。
  • 段取り力とは全体を通して見る予測力のことだ。
  • リーダーとはいろいろなスペシャルリストを上手に纏め上げ、コディネートして成果を作っていける人である。
  • ある問題を時間制限なしでやるのと、時間制限ありでやるのとでは能率が格段に違う。納期を決めなければ、いつまでたってもよい製品はできあがらない。だから自分で自分を追い込むような設定をするわけである。それが段取りである。
  • 自分が段取りを組むために、現場に行って調べることが大切だ。
  • どんなものでも3つに絞り込むことが重要だ。1つに絞り込むと抽象的になりすぎてしまう。5つにするとメリハリがなくなる。 段取りもとりあえず「3」という概念で大づかみに捉えておくのがよい。
  • 仕事が変わっても段取り力に自信があれば、次の仕事をポジティブに迎えることができる。
  • 段取りにはビジョンから下していくやり方と素材から入っていくやり方がある。両方をつないでいくのが、段取り力の鍛え方だ。
  • 段取り力を鍛えるには、限定した条件の中で訓練した方がいいだろう。
  • 無のところからふっとアイデアが生まれてくるよりは、条件を固定化した方がアイデアが出てくる。
yan.jpg筆者プロフィール
 氏名: 楊 仲慶(ヤン ツォンチン)
 生年月日: 1962年6月1日
 出 身 地: 中国浙江省

略歴:
 1983年7月: 中国浙江大学電気工学部 卒業
 1990年9月: 東京工業大学電気電子工学科博士を取得
 1990年10月: 東洋電機製造(株)技術研究所入社
 1994年1月: 東洋電機製造(株)退社
 1993年7月: マイウェイ技研(株)設立
 1999年11月: 西安交通大学 特聘 教授

「技術者のビタミン・二週一冊」について
誰もが自分自身を成功させたいと思うはずです。そのために、重要なことは自分のレベルをあげることです。手軽く効果的な方法は、読書です。
【技術者のビタミン・二週一冊】は、技術者にとって読んだ方が良い本を私なりに選び、自分の体験と重ねながら紹介します。
本ビタミンと共に、是非ご一緒に読んでほしいです。
(本連載は筆者が発行するメルマガより筆者の許可を得て転載しています。)
 
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