第1回 「WindowsXPのPCが間もなく使えなくなると聞いたけど、それは本当?」
結論から申せば、
’本当’です。
重要なことですので、付け加えれば、ブラウザのIE6も、WordやExcelといったOffice 2003も使えなくなります。
今のご時勢では、ITの環境は、社会にとっても個人にとっても欠かすことができない’インフラ’となっている、と申しても差し支えはない、と思います。車や電話と同じですよね。それが突然(もっとも’突然’ではないのですが)使えなくなる、という事態が直ぐそこに近づいています。
何時からか?来年の桜吹雪の頃、桜と共に散ることになります。正確には2014年4月8日までしか使えません。
では翌日の4月9日になるとPCはどうなるか?
4月9日の朝にいつものようにPCの電源を入れてみましょう。すると10秒後にはPCが爆発します、なんてことはありません。いつものように、PC(WindowsXP)が立ち上がり、ブラウザからGoogleやYahooが開けます。昨日作成したWordのファイルも開けます。
なあんだ、使えるジャン(^-^)。十数年前にあったY2K(ご記憶でしょうか?)騒ぎ、年が明けたら信号機が誤動作する、車が暴走する、電子レンジが爆発する、いろいろワイドショーや週刊誌が書き立てましたね。あれと同じ騒ぎなんだ。安心したよ。
では済みません。
おそらく、100%とは断言できませんが、ほぼそれに近い確率でまずいことが発生します。あくまで想定される中の一例ですが、4月9日以降にみなさんがお知り合いに送信されたメールにウィルスが混入して、お知り合いからクレームが入るかもしれません。いや、そのクレームのメールも受け取れないかもしれません。ネット通販も危険です。ネットからホテルを予約しようとしてもできないかも知れません。たとえできても、1室を予約したつもりが、10室予約したことになっているかも知れません。以前作成して保存しておいたExcelの表やグラフが’ごちゃごちゃ’になっているかも?
このような困ったことが、最初は静かに、でもほぼ確実に、そして次第に深く進行します。
ああ、そうだったのか!Y2Kとは違うんだ(いや、Y2Kも多くの方々の努力によって実害を回避した、ということですが)!
では、一体これは何なのか?誰が加害者なのか?
まず「何が起こっているのか?」ですが、一口に言えば、「PC上で日常的に発生しているセキュリティの問題の解決に必要な修正プログラムが、WindowsXPやIE6、Office 2003といった製品を提供しているマイクロソフト社から一切提供されなくなったため、PCのセキュリティが保てなくなった」ということです。セキュリティが保てなくなると、知らず知らずの内に勝手に、プログラムが書き換えられる/誤動作する、作成したデータが壊れる/化ける、といった事態になります。もはや、PCとして機能しなくなる、ということですね。
では誰が加害者なのか?
悪意を持って、いや悪意ではなくゲーム感覚で、ウィルスを作成してばら撒いているプログラマーや、全くそのような意図はなくても、プログラムの開発にあたってミス(開発者の業界用語では’バグ’)で実質的にはウィルスと同じように悪い結果を生じさせている(厳しい言い方かな?)プログラマー(+所属している会社)でしょうか。
これは冗談ですが、マイクロソフト社がOS(WindowsXP)やブラウザ(IE6)、オフィスソフトウェア(Office 2003)の最新版を売らんがために、実は同社の息のかかったプログラマーたちに、これらの古いソフトウェアに悪影響を及ぼすウィルスをばら撒かせている、なんてネ。もっとも、世界にはかなりのアンチマイクロソフト社のプログラマーがおり、それも有能な方ほどアンチマイクロソフト社の傾向が強い、と言われることがありますが、そのような方々の世界では必ずしも冗談とは受け取られていないようですが。。。
閑話休題。
話が脱線しかけてきました。
これで、事態はすぐ「そこにある危機」であると理解いただけた(?)と思います。