2013/02/07 木曜日 22:32:39 JST |
横浜経済の現状とこれから 市経済界の閉鎖性も指摘
横浜に数多くの100年企業が誕生することをめざし、永続的成長企業ネットワークが第1回サロンを開催した。会員のみを対象とした少人数制のサロンで、毎回テーマに企業経営に関わるさまざまな課題や問題を取り上げ、解決のためのヒントを専門家のアドバイスや、実際に課題を解決した企業トップの経験談から知ろうとするもの。
特徴は、少人数制のため座談会のように質疑応答がきめ細かくでき、一般的なセミナーより突っ込んだ情報を手に入れられること。また市経済に明るく市内外の経済界に豊富な人脈を持つことも同ネットワークの魅力のひとつとなっている。
■経済政策の今後を見通す
第1回サロンは、まず市内企業の国内での立ち位置を知るため「横浜経済の現状とこれから」と題し、市の経済ポテンシャルがどのように強いのか、代表理事の吉田正博氏が講師役を務めた。同氏はこれまで市経済局の課長を歴任し、昨春まで金沢区副区長を務めたこともあり、行政の視点から切り込んで他の府県や市などと比較し市経済を深く掘り下げて解説してみせた。
参加した企業トップは市経済の現状を理解するとともに、提供された市の人口や企業数などのデータから現状を分析する手法や評価方法などもわかり、「これまで漠然とわかっていたことが、数字をあげた分析で理路整然とした」という声も上がった。
また、データをもとに経済政策の立て方や今後の方向性を見通し、市の経済界に対する疑義や日頃から感じている「市経済界の閉鎖性」を指摘する声も出た。同セミナーは、毎月開催される予定。
■「70歳現役」社会に向けたキャリア形成
第1回セミナーの要旨は次のとおり。
・横浜市は市民の数で日本最大だが、人口規模に比べて経済規模が小さく、昼夜間人口比率が低いためベッドタウン化している。
・市が自立するためには昼間人口を高めなければならず、これを促進するために「みなとみらい21地区」を造成した。しかし効果が上がっていない。
・その一方で、高い技術力を持った中小企業や大学、研究機関も集まっており、専門的な知識、技術を持った豊富な人材が集積している。
・今後の市経済の活性化には豊かな人材を生かせる仕組みが必要で、また70歳現役社会に向けたキャリア形成が重要。
取材:2013年1月23日
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