産学連携・企業間連携コーナーに出展した大学、企業の紹介2回目。キーワードは環境、省エネ技術、創エネルギー。また、切削技術についても参考にそうな新たなノウハウが展示された。 ■東海大学 産学連携で実用化を目指す3つの技術をモデルを含めて展示。①工場や商業地域などからの排水を金属担持触媒の存在下で、硝酸イオンを水素によって窒素ガスに還元して無害化する浄化システム。 ②分子構造をデザインして「分子創出」する有機合成化学が、広範な分野の技術革新を先導している。そこで「分子デザイン」という旗印の下に、有機(合成)化学者を結集して新機能性分子の創出するプロジェクトの研究成果を紹介。 ③熱で音波が発生する作用を用いてエネルギー変換を行うまったく新しいエンジン「熱音響機関」を紹介。工場や自動車から発生する排熱を電力変換ならびに昇温・冷凍に再利用することが可能となる。 ■帯広畜産大学 地域連携推進センター 家畜の糞は一酸化二窒素やメタンを発生させ、その温室効果は二酸化炭素と比べものにならないほど高い。これを抑制するため「通気量自動制御システム」の実証実験を行っており、その成果を展示。今後はこの技術により送風機の省エネ化を図り、堆肥舎の電力消費量を削減させることも狙う。また、地域の特性に即した堆肥化プラントの開発やプランニングも行っており、その一部を紹介。 ■山口大学 3つの研究シーズを紹介。①「人工ジャイロ磁性」は、高周波非可逆素子に不可欠なジャイロ磁気特性を進行波共振構造における回転磁界により実現。 ②「レーザーによる燃焼温度分布の高解像度非接触測定」は、レーザー光を使った温度分布の高精度測定が可能となる技術。半導体産業での薄膜形成時の温度モニターによる膜厚分布管理など、高精度な温度管理が必要とされる分野への用途が期待できる。 ③「高クロム鋳鉄の被削性向上」は、難削材である高クロム鋳鉄を本技術により耐摩擦性を大きく減少させることなく、切削性を向上させ難削材の加工性を上げることが可能となる。 ■広島大学 機械加工業界で関心の高い「難削指数による難削性の評価」の研究に関連した成果をパネルで展示。またレーザーの熱応力利用したガラス、セラミックス、半導体基板の新しい切断方法も紹介した。なお、ワークショップでは“難削化指数とレーダチャートによる切削加工指針の立案”をテーマに講演した。