2007/11/27 火曜日 22:13:18 JST |
事前予約制の展示会で商談成立率をアップ
東北3行が地元企業に取引先を直接紹介
~ビジネス情報交換ネットワーク(ネットビックス)~
■銀行が地元企業の要望聞いて商談先を探す
展示会に出展する中小企業の費用対効果が問われるなか、11月20日東京流通センターにおいて、青森銀行、秋田銀行、岩手銀行の東北3行は、地元企業105社が参加する首都圏企業向けビジネス展示商談会を開催した。
これは、3行による法人顧客サービス、「ビジネス情報交換ネットワーク(ネットビックス)」の事業の一環として行われたもので、商談の"事前予約"が最大の特徴。
一般の展示会は、どちらかと言えば不特定多数の来場者を対象にアピールする。しかし、同展示商談会はそれだけにとどまらず、出展社の要望聞きながら事前に3行が東京で商談相手を探し、来場の予約を取り付けるのだ。
このため、一般の展示会よりビジネスチャンスにつながりやすく、一日だけの開催でも大きな成果をあげやすい。
■東京の企業との取引で全国ネットの販路を開拓
もともと、この展示商談会は岩手、青森、秋田の3行が3県で持ちまわり開催していたのだが、出展社の強い要望で昨年から東京で開かれるようになった。「東京の企業は全国ネットでビジネスをしているため、取引できれば販路が広がる」というのが一番の理由。
ちなみに、過去の実績をみると第1回の開催(岩手)は、119社の出展で4300人が来場し、358件の商談で122件が成約に至っている。第2回(青森)はこれを上回る実績を上げ、さらに第3回(秋田)は154社の出展で5000人が来場、546件の商談で157件を成約した。
ただ、これまでほとんど取引先のない東京での開催は予想以上に厳しく、昨年の来場者は1135人にとどまり、商談数は368件で成約もわずか84件だった。ただ「手応えは十分にあった」(青森銀行担当者)という。
また、東京での開催は会場のスペースが限られるため、最大で105社までしか出展できない。このため、すべての出展希望に応えられず「ビジネスへの意欲、展示商品の魅力などを勘案して最終的に決定した」(関係者)という。いわば選ばれた東北3県の企業が東京で一堂に会することにもなる。
■「単独では営業できない大手企業と商談ができる!」
今回はテクノロジー分野33社、食材分野43社、環境と暮らし分野29社のコマが並んだ。各分野とも実演を含めて積極的な展示が目立ったが、なかでも食材は"職の安全"を含めてアグリビジネスとして注目された。
テクノロジー分野では計測機からIT関連のソフト、ハードウエアまで幅広く最先端の技術が展示された。このなかで、廃木材の有害成分測定器を出展した東和電機工業の齋藤光憲氏は「大手手企業の集まる東京は魅力ある市場だが、単独ではなかなか展示会の出展はむり。しかし、このような方法なら参加できる。今回は事前の商談予約で大手建設会社との約束がとれている」と期待感をみせた。
また、凍結・冷蔵設備を扱う大青工業の小山内稔氏は「これまでの展示会では地元企業との商談が中心だった。東京の企業と取引できれば販路が広がり、新たなビジネスチャンスも生まれる」とした。
■1日で1450人が来場し、商談は過去最高の548件に
一方、東北経済産業局も同展示商談会を支援しており、地域経済部産業支援課の畠山淳一氏は「東北の企業は首都圏でビジネスチャンスをみつける機会が少ないので応援したい」とし、さらに「今回は営業の窓口を広げるために、横浜のNPO法人が行っている販路開拓支援のセールスパートナー事業と提携した」と語った。
また青森銀行法人部の森庸課長は、展小商談会の狙いについて「東北3県の産業振興が一番の理由。3行が力を合わせることで、地元企業を活性化させたい」と意欲をみせた。
なお、今回の展示商談会は105社が出展し、1450人が来場し過去最高の548件の商談が行われた。3行では「来年も再び東京で開催したい」と積極的な姿勢をみせている。
|