横浜産業新聞
larger smaller reset larger
Home arrow 特集/レポート arrow レポート-地中熱研究会④

注目記事

先進企業のCSR


広域産学連携


100年企業の条件


MH_cornor


SP_cornor

RSS配信

レポート-地中熱研究会④ プリント
2011/07/26 火曜日 14:44:23 JST

最新工法は振動破砕
技能講習者が配管接合

横浜企業経営支援財団の地中熱研究会が7月15日に行われた。第3回のテーマは3つ。①「横浜市の地盤の特徴と建築における掘削技術について」(都市・地盤研究所、代表取締役 内山勝麗氏)、②「ボアホール型地中熱交換器利用による地中熱ヒートポンプシステム地中熱交換器について」(日さく東日本支社、技師長 芝宮一郎氏)、③「地中熱配管の施工」(東急建設建築総本部建築本部設備技術グループ、主任技師 中川政一氏)。
   ts-110726.jpg
■Uチューブ径は25A
横浜市の地盤について内山氏は、沖積層、洪積層、第三紀層に分かれており、関内地区は沖積層で低地は粘土・砂層などで地盤沈下しやすく、山手地区は沖積層で67%を占める丘陵地はローム・硬質粘土層になっていると説明した。また、掘削技術ではプレボーリング工法、アースドリル工法、リバース工法などの特徴を紹介した。
ボアホール型地中熱交換器の現状について講演した芝宮氏は、高密度ポリエチレン製の管径25AのUチューブのダブル建て込みが掘削径の関係から最も普及しているとし、国産品が少ないため価格はISO規格の輸入品のほうが安いとした。掘削工法は最新工法として振動破砕をあげ、地層が未固結層の場合は回転振動式とロータリーパーカッション式掘削工法が最適という。

回転振動式掘削機は、急速掘削が可能で騒音も少なく、地層や掘削深度によっては清水掘削が可能なため泥壁による熱伝導を妨げにくい。また省力化されているので作業時間の短縮にも結びつくとする。ロータリーパーカッション式採掘機も同様だが、ただ騒音が高く深度が増すと打撃力が減衰し、掘削深度は100m程度にとどまるという。

■地質条件で著しい差
熱交換器設置の課題として芝宮氏は、①初期投資費用がシステムの5分の3を占め負担が大きい、②工期、費用の削減のための掘削工法の採用が不可欠、③地質条件、地下水流動により地中熱交換量に著しい差異がある、など指摘した。

一方、配管の施工ポイントを講演した中川氏は、配管方式にヘッダー方式、直列方式、並列方式、併用方式があることを説明。それぞれの方式の選定は、設置する建物の規模や敷地の形状、地中熱交換器の本数・長さなどいくつかの条件を複合的に考えて行うとした。また、不凍液は粘度が高いもののグリコール系が一般的で、そのなかのエチレングリコール不凍液の場合はアミン系の防錆剤が入っていないものを選ぶという。

同氏は配管のチェックポイント注意点を7つあげた。重要なポイントとして、配管の接合はメーカーの技能講習を修了した作業員に行わせるとともに、管理者は施工要領を理解することが大切と指摘した。また、配管方式の特徴を理解し、採用されている方式の妥当性のチェックすることや、配管サイズの適正確認、不凍液適合性のメーカー確認なども大切とした。
                           (取材2011年7月15日)
㈱日さく:http://www.nissaku.co.jp/
東急建設㈱:http://const.tokyu.com/

 
< 前へ   次へ >

支援企業・団体

連載/コラム

広告主募集

 
ホーム  |  スタッフ募集
Copyright 2004-2007 横浜産業新聞 - 横浜における情報産業の情報発信「ハマビズ」 - All rights reserved.
横浜産業新聞に掲載の記事・写真・図表などの無断転載を禁止します。
著作権は横浜産業新聞またはその情報提供者に属します。