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テクニカルショウ2011(第3回)―出展者紹介:株式会社グランパ プリント
2010/12/30 木曜日 07:18:31 JST

円形植物工場で生産量が倍増
自然換気する影のできないドーム型
                                                                                                  株式会社グランパ

■加工して出荷する顧客直結のビジネス
将来性が注目されるアグリビジネスのなかで、いま主役的存在となっているのが植物工場だ。この新しい栽培方法に長年の実績を持ち、秦野市と藤沢市にファームを持つ株式会社グランパ(中区不老町)は、生産量をこれまでの2倍に増やせるドーム型の植物工場をこのほど開発し11年から施設販売に乗り出す。
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植物工場の一番のメリットは天候に左右されず価格、品質ともに安定した野菜を栽培できることにある。ただ、水耕栽培が中心なので、葉物野菜のなかでもフリルレタスやベビールーフ、ハーブ類などが主体だ。
同社が得意とするのは顧客直結型のビジネスで、栽培から出荷までをシステム化すること。たとえば、大手遊園地のレストランに納めるフリルレタスは、すぐに調理できるように必要な部分だけ工場内で切り分け、洗浄し、鮮度を保てるよう真空パックにして出荷している。
露地物のレタスだと芯の部分や硬い葉を調理の前に取り除くため、使用できるのはほぼ半分となる。つまり、顧客は調理の前に手間をかけ、さらに購入価格の半分を廃棄しているわけだ。工場で加工して出荷すればすべて使い切ることができ、価格に十分に競争力も生まれる。さらに、栽培に化学農薬も使用しない。
企画開発室の阿部圭助次長は「顧客は食の安全安心と安定供給を求めており、天候に左右されず化学農薬を使わない植物工場はそのニーズにマッチする。自然光を利用し室温を一定に保てるようコントロールするので、味も露地物に比べて苦みが少ない」と語る。

■円形ならムダなスペースをつくらない
こうしたノウハウを活かして新しく開発したのが円形植物工場だ。これまでの植物工場は発芽シートに種を撒いて育苗し、それを長方形のシートに定植して成長させ収穫する。ただ作物の成長を見込んで苗の間隔をあけて定植するため、ムダな空きスペースができ、また成長して葉が隣同士で重なると成長を止めてしまうことも問題だった。
そこで、同社は葉物野菜を成長に連れて自動的に場所を移動させることを考えた。これなら苗を間隔をあけずに定植できるので、ムダなスペースが生まれない。周囲と葉も重ならないので葉物野菜もより大きくなる。
移動の仕組みは渦巻状のガイドレールの上にアームを乗せ、これをゆっくりと回転させて外側に作物を移動させる。苗の定植は円形の栽培水槽の中心付近で行い、収穫は成長とともに外側に自動的に送り出されるので一番外側で行う。
この円形植物工場で栽培すると、これまでと比べて面積あたりの収穫量が1.5倍となり、成長を妨げないので大きさもこれまでより1.3倍重くなる。つまり総生産量が約2倍になるのだ。

■自然換気で室温も調整
工場の建屋もアイディアに満ちている。鉄骨補強がないドーム構造なので屋内に影ができない。建設工事も建物の基礎となる丸い枠を組み立て、2重構造の膜をとりつけてそこに空気を送り込むだけで、施工は数日で完了する。ドームだから天井は気圧差で優れた耐荷重性を発揮し、厳しい自然環境にも耐えられる。頂上部で自然換気するため夏場は外気の循環をさせて工場内の温度を下げ、冬場は換気口をしめればビニールハウスのように室温を高められ、燃料費も削減できる。
膜として使用される不燃フィルムは太陽光を拡散しやすい処理が施され、自然光を最大限利用できる。同社では、11年から実証実験し販売につなげたいという。
円形植物工場はテクニカルショウ2010に展示し、2月4日(金)14時20分には会場内でワークショップも行う。アグリビジネスに興味があるようなら次世代型の植物工場として一度は見てみたい。

グランパ:http://www.granpa.co.jp/

 
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