テクニカルショウ2011(第2回)-出展者紹介:横浜市総合リハビリテーションセンター |
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2010/12/25 土曜日 17:57:00 JST |
全国唯一、福祉機器の開発拠点
研究、臨床、評価のすべてを実施
横浜市総合リハビリテーションセンター
■大学、企業のシーズと技術を活かす
障害者や高齢者は日常生活にさまざまな問題を抱えている。このとき頼りになるのが補助用具や機器だ。ところが、その実用化にはいくつものハードルがあり製品化するには予想以上に時間がかかる。たとえば、大学や企業に優れたシーズや技術があっても、それを製品化するには研究開発して試作し、さらに実際に臨床現場で使用して狙いどおりの効果があるのか検証されなければならず、製品化するには客観的に評価しなければならない。
しかし、これを大学や企業が単独でおこなうのは難しく、かりに試作までこぎつけられても臨床実験をスムーズに受け入れられるリハビリセンターは全国的に少ない。評価にさいしては第三者機関にあらためて頼む必要がある。
こうした「研究開発」「臨床」「評価」までをトータルでおこなえるのが、横浜市総合リハビリテーションセンター(港北鳥山町)だ。
■共同研究の4割が製品化
地域リハビリテーション部の担当部長、飯島浩氏は「企画開発部門のあるリハビリ施設は全国的にも少ない、さらに臨床から評価までシステムとして実施できるのは、おそらくここだけ」と説明する。
"地域"と名づけられているのは、在宅に出向いて行って臨床のサービスを実施するという意味。一般にリハビリセンターというと、そのセンターにいかなければ、サービスを受けることができない。
また、施設は横浜ラポール(障害者スポーツ文化センター)と隣接しておりモニター評価を行いやすい。加えて全国に6ヵ所しかない厚生労働省認可の臨床評価機関のひとつにも指定されている。
まさに全国を代表するリハビリ製品の開発拠点といってもいい。それだけに企業や大学との共同研究も多く、これまで取り組んだテーマのうち40%が製品化され、その5割はいまも販売されているという。
■専門スタッフへの相談は無料
共同研究について同氏は「開発した新素材を福祉分野に活かしたいが、福祉分野に知識がない」「新しい福祉用具や機器を開発したが、市販化の前に専門家の意見を聞きたい」などはぜひ相談してもらいたいという。専門スタッフへの相談や製品のデモンストレーションなら無料でおこなえ、必要に応じ臨床評価や共同研究開発も有料でできる。
臨床評価は、評価項目の作成から利点、欠点の整理、当事者評価や動作分析、体圧分布測定などを分析する。また共同研究・開発については基本設計の実施、完成後のマニュアル製作、研究論文の作成から学会での発表までおこなう。
たとえば、自動車メーカーと共同開発した四輪駆動型電動車いすは、これまでの電動車いすが苦手だった雪上やスロープ、片流れのスロープでも使用できる高性能製品として発売された。この電動車いすは特殊な前輪を使用しているので小回り性能に優れ屋内でも動かしやすく、国内外から注文があるという。
■テクニカルショウでワークショップ
テクニカルショウ2011では、2月4日13時55分から会場内で「横浜市総合リハセンターの福祉機器共同開発・臨床評価」をテーマにワークショップを開催する。また、毎年7月にヨコハマ・ヒューマン&テクノランド(2011年7月22日(金)・23日(土)パシフィコ横浜で開催)として福祉の総合展も開いている。医療、福祉分野に興味のある企業や大学は、ぜひ共同開発のパートナーのひとつにあげてみたい。
横浜市総合リハビリテーションセンター
http://www.yokohama-rf.jp/shisetsu/reha/web-content/top/index.html
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