浴衣でディナークルーズ
若手育成に毎夏2大イベント
■わくわくしながら仕事をしたい
県内のIT業界は若手人材を大切に育てようと、夏を利用して2つのイベントを毎年おこなっている。インターンシップ生を対象とした「インターンシップ集合研修」と若手社員むけの「ディナークルーズパーティ」だ。いずれも関連団体の神奈川県情報サービス産業協会(神情協)が主催する。
このうちインターンシップ集合研修はロイヤルウイングを含めた2部構成では、今年で5年目を迎える。インターンシップは受け入れ先企業が大学生を個々に指導し、社会人になるための心構えやIT業界の将来性を理解してもらうのが本来の目的だ。しかし、神情協は企業の枠を超え一日だけ協会が集合研修を行っている。
8月20日に行われた集合研修は、午前と午後の2部にわかれ、1部でセミナーを開き、2部でグループ発表と参加者の交流会を催した。セミナーは、毎年IT業界で成功した若手経営者に自身の経験を語ってもらい、職業としてのおもしろさを伝えている。
今回のセミナーのテーマは富樫和弘氏(アドバンス)の「波乱万丈のIT戦士」と、田村麻紀氏(アイシス)の「企業が求める人材像」。富樫氏は「創業社長が多い中で、自分は入社15年で社長に大抜擢された。努力すれば誰にでもチャンスがあることを学生に伝えたかった」と語る。
ちなみに、富樫氏がセミナーで話のなかに盛り込んだのが「わくわく」という言葉。「どんな仕事でもつまらないと思ったらおしまい。どうすればおもしろくなるのか、目標を立てたりプラス思考で日々工夫したりすれば、必ずわくわくしながら仕事できるようになる」と狙いを語る。
集まったインターンシップ生は34名。就職環境を反映してか例年の3割増しで、なかでも情報処理系の学生が目立ったという。交流会はロイヤルウイングの船上でティーパーティとして行われケーキバイキングなどが学生に人気だったようだ。
■12月にはクリマスパーティを開催
一方、神情協が各社の若手社員向けに毎夏実施しているのがディナークルーズ。今年も8月27日の夜にロイヤルウイングで行われた。企業単独では難しい若手社員向けの福利厚生もこうして協会がバックアップし盛り上げている。
当日は、気取らずざっくばらんに楽しめるよう浴衣での参加を奨励し、船上の貸し切りルームで食事をしながら"浴衣でアピール高感度NO1コンテスト"なども行った。担当する企業経営委員会の前山浩志氏は「これまでトップ向けにゴルフコンペや情報交換会があった。しかし企業の財産は社員。そこで6年前から若手社員が交流できるよう8月にディナークルーズ、12月におしゃれをして参加するクリスマスパーティを行っている」と説明する。
今回のディナークルーズは景況の影響か参加者はやや少なかったが、毎年140名以上が集まる夏の一大イベントとなっており、協会の会員同士の活発な交流に結びついている。
2大イベントは、小規模な企業の多い県下IT業界のなかで、社内の活性化を図り会員企業の支援となっているようだ。
社団法人神奈川県情報サービス産業協会:http://www.kia.or.jp
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