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先進企業のCSR(第31回)―北沢建設㈱ プリント
2010/08/04 水曜日 06:29:58 JST

経営者に共感し 顧客が作った「友の会」
38年前に建築した家にも 毎年カレンダーを手渡し

■サラリーマンから経営者へ
景気に左右されやすい建設業界において、設立以来38年間黒字を続けている建設会社がある。従業員31名の北沢建設(旭区白根)は、2008年にISO9001の認証取得し、2008年に横浜型地域貢献企業に最上位で認定された。その北沢建設を象徴するのが「友の会」一般的に'友の会'というものは顧客を囲い込むために企業側が組織するが、同社の場合正反対に顧客側が結成した。
現社長と会長は、大手企業に勤めていた時の友人同志。会長の父親の工務店を1971年秋一緒に継ぎ、1972年株式会社にした。そして在職していた企業の職員用宅地に一軒、また一軒と住宅を建てた。その誠実な仕事ぶりと経営を評価した建て主達が、設立まもないこの会社を応援しようと「友の会」を提案したのである。その後も会員は増え続け、現在では1800人。年に一度一堂に会していたが、会員数増加と共に現在では「パル」(季刊誌)を発行し、顧客の意見をより細かく取り入れる努力をしている。
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■「旭ジャズまつり」の仕掛け人

さらに同社を特徴づけるのが、設立以来の建て主にカレンダーを手渡ししていることだ。顧客の一人は「毎年欠かさずやって来る建設会社はそう無いよ」と驚いていた。
営業部と工事部の担当者が、11月から年内いっぱいかけて配る。こうした顧客と信頼を築く経営方針は地域とのつながりにも表れる。清水武社長は「建設業は資材の運搬や工事まで近隣に迷惑をかけているので地域貢献は当り前のこと。貢献していますと言うものではない」と語る。

この考え方は社内に浸透し、地元で行われる祭事の手伝いや地域でのボランティア活動に多くの社員が自主的に参加する。営業部長自らも同社のホームページにブログを書く。
地域貢献で最大のものが毎年夏に開催される「旭ジャズまつり」。会長の北沢通正氏が社長のとき(22年前)区の担当者と「皆で楽しめる催し物が旭区にもあるといいね」という話から「旭ジャズまつり」が誕生した。二人の呼びかけに賛同し実行委員になった人達が手弁当で奮闘している。今までに秋吉敏子、日野照正など世界的なトップアーティストを迎え、毎回2,000人を超える来場者でにぎわう。たった一日のイベントのために、2日前から積み込み、前日には設営、翌日は撤去と縁の下の力持ち役を北沢建設の社員達が担う。

華やかな舞台を作る地味な作業。拍手もアンコールももらえない仕事をボランティアで行う。また、区内で1971年からスタートした駅伝競走にはゼッケンスポンサーとして参加。当時は区内道路を白バイの先導で走っていたが、現在では2月上旬に横浜動物公園内を「ズーラシア駅伝」として開催され、こちらも区民の年中行事として親しまれている。

■ビッグカンパニーよりグッドカンパニー
同社は地域貢献をアピールしないが、横浜型地域貢献企業のマークを表示するようになってから、顧客にその意味をきかれることが増えたという。住宅は人生で最大の買い物だ。それだけに家を建てようと思う人は、インターネットなどで企業の内容、実態をよく調べる。「ホームページに載っているCSR活動で信頼されることも多い」と清水社長は語るが、ビッグカンパニーよりグッドカンパニーを目指す経営理念こそが業績につながっているのだろう。
(取材協力:横浜市/横浜企業経営支援財団/他)

北沢建設㈱:http://www.kitazawakk.co.jp
横浜型地域貢献企業認定

 
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