横浜産業新聞
larger smaller reset larger
Home arrow ホーム arrow ヘッドラインニュース arrow インドビジネス最前線 第1回

注目記事

先進企業のCSR


広域産学連携


100年企業の条件


MH_cornor


SP_cornor

RSS配信

インドビジネス最前線 第1回 プリント
2010/06/04 金曜日 10:22:20 JST

仕様書の英語は翻訳しない
まず、ビジネス慣習を知る


■インドはピラミッド式で動く
横浜インドセンターはこのほど、サオラとの共催でセミナー「インドビジネスを成功させるためには」を神奈川中小企業センタービルで開催した。セミナーはインド系IT企業のニュージェンソフトウェアテクノジー社長のディワーカル・ニガム氏が「インドでソフトウエア・アウトソーシングを成功させるために」と題して基調講演を行い、引き続きパネルディスカッションで日印ビジネスの秘訣についての意見交換をした。
    id-1-1l.jpg
ニガム氏は「IT分野で日本からのアウトソーシング需要は今後も増え続けるだろう」とし、この分野で成果を得るためには「ビジネス習慣の違いを知る必要がある」と説明した。事例としてあげたのは組織、仕事、コミュニケーション。「日本は個人単位のプロジェクトで動くがインドはピラミッド単位の大規模プロジェクトで動く。従業員の流動性も高く退職者が多いので個人の能力だけに頼らず、作業プロセスを重視し、情報の共有化が大切」と語った。また「日本人は英語で議論することに不安があり、ギャップが生じやすい」「インド人はあいまいな契約書(仕様書)には潜在的なリスクがあると考えるが、これに対し日本人は信用などに価値観を置く」とも指摘した。

さらに「日本人は一緒に働くと、自分たちの要求をベンダが手伝い仕様書にしてくれる、とあいまいに考えがちだ。しかし、インド人は仕事の範囲を明確に定義するのは顧客の仕事だと考えている」とその違い述べた。そこで、よりよい成果を導き出すためには言語の壁を乗り越えられるコミュニケーション力と、単発ではなく長期的または複数のプロジェクトを同時進行させることで相互理解と質の高いシステムを作り出せると強調した。

■カギ握るパートナー選び

パネルディスカッションにはパネリストとしてインド系IT企業の日本支社長、貿易商社社長、在日インド人支援会会長ら7名が参加。西山征夫氏(ジェネシス社長)は「仕様書は翻訳せず英語のままやり取りすれば誤解が生じにくい」とアドバイスし、I.M.チュガニ氏(ジーエムシージャパン社長)は「良いビジネスパートナー(コンサルタント)をいかに見つけるかが大切。ひとつの基準として①長く日本に住んでいるインド人②英語に堪能な人③ビジネス経験が豊かな人④場合によっては現地の小規模な会社を買収して子会社化してしまう方法もある」と語った。ジャグモハンS.チャンドラニ氏(江戸川インド人会会長)も「日本で市場リサーチしたあと、現地の商工会議所といったインドの民間団体、専門家、政府系機関などを利用すればサポートしてくれる」と教えた。

一方、橋本惠夫氏(横浜インドセンター参与)はビジネスが成功する5つのポイントとして「①州政府と良好な関係を築く②内需なのか他国への貿易拠点なのかビジネスの目的と目標を明確に設定する③工業団地の有無、競争相手の存在など進出先の立地をよく選ぶ④進出日系企業との協力⑤現地に派遣する人材の育成」とあげた。

また、J.プレム・アナンド氏(サオラ副社長)は「インド市場は常にオープンだが、なぜか日系企業が進出しない」と指摘。ラマ・タントリー氏(マインドツリー日本支社長)は「韓国は2年かけて市場調査し参入した。日本はこれまで自動車など一部を除けば関心を示すことがすくなかった。インドを懐の広い多民族国家とおもしろく考えてもっと積極的にチャレンジすべき」と日印ビジネスを勧めた。内田千代氏(横浜インドセンター事務局)は「日本は出遅れている。インドの情報が少ないこともあるがもっと関心を持ち、現地を見てコンタクトを増やして欲しい」と総括した。

横浜インドセンター:http://www.yokohama-india-centre.jp/
 
< 前へ

支援企業・団体

連載/コラム

広告主募集

 
ホーム  |  スタッフ募集
Copyright 2004-2007 横浜産業新聞 - 横浜における情報産業の情報発信「ハマビズ」 - All rights reserved.
横浜産業新聞に掲載の記事・写真・図表などの無断転載を禁止します。
著作権は横浜産業新聞またはその情報提供者に属します。