「テクニカルショウヨコハマ2010」レポート(2) |
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2010/02/15 月曜日 22:20:02 JST |
世界初の味覚センサー
拡大するインド市場
会期中約2万9000人(主催者発表)が訪れた「テクニカルショウヨコハマ2010(第31回工業技術見本市)」は、出展者各社の先端技術とともに産学連携の成果によるビジネスが注目を浴び、また出展者セミナーではインドの最新情報も紹介され話題となった。
■味覚を可視化しマーケティングに活かす
味香り戦略研究所は、世界初の味覚センサーを使うマーケティングを提案。味覚センサーは苦味や甘味だけでなく、口に含んだ瞬間の「先味」や、飲み込んだときの「後味」まで13軸にわけて測定し味を客観的に分析できるセンサーで、味を数値化することでおいしさを可視化できる。同社はこれを依頼により新商品の開発や品質管理、クレーム分析などに活用する。現在、食品関係など200社あまりとビジネスを展開し話題を呼んでいる。マーケティングサービス部の小平由梨メディアクリエイターは「たとえばビールも酸味やキレ、また苦味やコクも味覚センサーで数値化することができ、製品ごとのポジショニングを図式化できる」とする。この味の分析とともに、同社ではこれまで分析した1万アイテムを超える市販品の味データベースの提供も行っている。
■無日照でも街灯が1日14時間、一週間点灯
藤和商事は太陽光発電の街灯などを出展した。新開発のソーラー発電用充放電コントローラーにより、これまでより効率的に太陽光を利用できる。性能は無日照でも1日14時間、7日間の点灯を可能とし、また照明装置にLEDを使ったことで10年間メンテナンスが不要となった。
一方、音力発電は「発電床」を展示した。床に圧電素子を埋め込み、人がその上を歩くと振動により発電する仕組み。すでにJRの改札口などで実証実験も行っている。振動で発電するため工場や道路などでの利用も今後検討されている。
また、インド企業のShimBi(シンビ)は日本でウェブの制作や翻訳などを手がける。これまで本国で培ってきた日本とのビジネス経験を活かして進出した。インド現地のリソースをフル活用することで、初期費用4万5千円、月額保守料金900円でウェブを制作する。HTMLの知識が不要でブログ感覚で情報のアップが可能という。
■3億人以上が強力な購買層のインド
今回、注目を集めたのが横浜インドセンターのセミナー。インドマーケットの現状と将来性を紹介し、「GNIなどの経済指標で考えると見誤る。2~3億人以上の強力な購買が生まれている」(西村幸浩理事)と指摘した。同氏はこれまで日本が経験した数々の好景気インドに一度に起きており、消費が活発で日本の中小企業にとって非常に魅力がある市場とした。さらに、インドの魅力は各州それぞれの大都市ごとに巨大なマーケットがあることで、首都でなくとも十分に利益を上げられる。「いまのインドは進歩が早い。それだけビジネスチャンスも多い」。セミナーでは数日前にインドで撮ったばかりの写真も披露され、大都市郊外に建設されるニュータウンや街中を走る高級外車、また新車の目立つタクシーなどを写真で説明した。
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