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先進企業のCSR(第16回)-石井造園(株) プリント
2009/10/11 日曜日 14:59:43 JST

「ついでに、ムリなく、達成感」をモットーに
緑化基金など年間23件のCSR活動を実行


■社員の本気を引き出す
企業の社会貢献には継続性が必要だ。社会的にインパクトのある活動をいくら実践しても、経営環境の変化で規模を縮小し、いつの間にか立ち消えになってしまうようでは、せっかくのCSRも短期間で終わってしまう。実行し続けるには社内のたゆまぬ努力と、継続するためのノウハウが必要だろう。
市や団体から多くの感謝状や表彰状を授与されている石井造園(栄区笠間)は、CSR活動のモットーに「ついでに、ムリなく、達成感」をあげる。"ついでに"とは改まったことをするのではなく、あくまでも「本業のなかで、ついでにできること」で、"ムリなく"は会社のヒト・モノ・カネに過剰な負担を強いないことである。そして社員の本気に結びつけるために必要なのが達成感だ。

■7割引の"植木消毒特割サービス"

同社がCSRに力を入れ始めたのは4年前、2代目社長の石井直樹氏が就任してからである。横浜型地域貢献企業にも第1期に認定された。特徴的なのはその活動の多さ。20年度だけで23件を数え、今年度も同様のペースで実施されている。いずれも社員のアイデアで、誰もが何らかの提案をして自ら実行する。
たとえば、街路樹の大切さを地域住民に訴えるために行ったのが"植木消毒特割サービス"。「街路樹に面した家は日頃から日照や枯葉などで迷惑している。そこで消毒するとき、その家の植木の消毒を7割引の料金で実施した」(石井社長)。これなら社員が仕事のついでに行えるし、経費負担もできるだけ抑えられる。 
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■ボランティア動かし街を美化

こんな例もある。同社は落書き消し剤を扱っているが、これを地域のボランティア活動に持ち込んで"落書き消し運動"を仕掛け、街の美化に貢献した。さらに、20年度から始めたのが「緑化基金」。仕事を受注するさい見積もりは1円単位まで出すが、契約は1000円未満を端数として、たいてい切り捨てられる。そこで端数を緑化基金として発注者側に寄付してもらい、同社はその同額を基金に支出して積み立てるのである。これにより初年度は約13万円が集まり、地元の笠間小学校のトンボ池(ビオトープ)の改修を行った。
このほか、伐採したケヤキを産業廃棄物として処分せず、枝を短く切ってキノコの菌とともに訪れた市民に提供し、植菌でキノコを生育させるケヤキのリサイクルも行った。今後は、毎年100t近く出る剪定樹木をバイオ燃料の原料に利用できないかも検討する。

■CSRつながりで仕事も受注

一方、造園業ということから市内の緑化運動に深い強い関心を持っている。市の150万本の植樹行動には共感し、いの山東公園の再整備にあたっては地域住民に苗木150本を無償で配布した。
同社の雨宮純平工事主任は「CSRに取り組むようになって意識が変わった。普段仕事で接している人たちが、自分たちをどう見ているのか、常に気になるようになった」と語る。こうした取り組みはビジネスとしてのメリットも多いようだ。CSRを積極的に行う大手企業から工場緑化の発注も受けた。
ついでに、ムリなく、達成感のモットーは、経営に負担をかけずに実行できる。さらに社員の意識を高め、企業としての知名度を上げることで新規顧客の開拓にも結びつく。同社の活動は事業の拡大という観点からもCSRが大切だということを教えてくれるようだ。
(取材協力:横浜市/横浜企業経営支援財団/他)

石井造園(株):http://www.ishii-zouen.co.jp/
横浜型地域貢献企業認定
 
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