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目指せ!横浜ビジネスグランプリ(第11回)-受賞者の活躍:(株)盤水社 中山貴之社長 プリント
2009/10/04 日曜日 11:21:30 JST

中高生向けキャリア教育支援マガジン
「働く"カッコいい"大人の姿」に子供たちは学ぶ


■"働く"とはどういうことか

厚生労働省によれば2008年のニート(若年無業者)は64万人、フリーターは減少しているものの170万人を数える。厳しい雇用環境が背景のひとつにあるが、それとともに若者の就業意識の変化も大きく関係しているとされる。働くことに意義や目的を見出せないまま社会に出る若者が多いのが理由のようだ。そんな若者たちに"働く人の職業観やメッセージ"を伝えようとスタートしたフリーペーパー(無料情報誌)が人気を呼んでいる。キャリア・オリエンテーション・マガジン『さくらノート』だ。この情報誌の横浜版が来春の創刊を目指し、準備をはじめた。

■キャリア学習のテキストとして活用する学校も

盤水社(本社・石川県金沢市)が2007年に石川県で創刊し、現在、石川県内の中学校と高校を中心に4万部を配布する。この11月には富山県版も発行する予定という。さくらノートは県内の企業で働く身近な大人たちに、働くことの楽しさや、厳しさを語ってもらい、仕事に対する価値観や姿勢を伝えようとするのが内容だ。中山貴之社長は「"子供は親の後ろ姿見て育つ"という諺のように、子供たちに働くことの意味や目的を考えさせるには、真摯に働く"カッコいい"大人たちの姿を見せるのが一番」と説明する。配布先の学校によってはこの情報紙を授業で取り上げ、感想文や手紙を書くなど、学習に活用しているという。
そもそも、このさくらノートを始めようとした動機について中山氏は「いまの若者は、職業観を持たずに、ブランドやイメージで就職先を選んでいる。これでは企業と人材のミスマッチが起きても不思議はない」と語る。
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■職場紹介で企業価値を高める

一方、フリーペーパーを支えるのは誌面を有料で提供する企業だが、こちらにも大きなメリットがある。経済環境の悪化でいまは求人を手控えているものの、中期的にみれば若者人口の減少で再び激しい人材の獲得合戦が待っている。先手を打って、いまのうちから"働きがいのある職場"として県内の中学校や高校に紹介しておけば、おのずと企業価値が高まる。「求人専門誌だと首都圏や他県の大企業と同じ土俵で勝負しなければならない。これでは地元企業は不利」と中山氏は強調する。
また、さくらノートは意外な読者も開拓した。それは生徒の親、家族である。はじめは中高生のキャリア教育で、学校の参考書や教材代わりに利用してもらうことを狙っていたが、地元に密着した企業やそこで働く人が登場することで親近感を持たれ、読者層が広がった。さらに大学の就職指導課にも好評となって、いまでは金沢大学をはじめ地元の大学や短大にも配布しているという。
盤水社は今年度の横浜ビジネスグランプリでオーディエンス賞の受賞に輝いた(http://www.hamabiz.jp/content/view/1114/32/)。同社は今後、2015年までに全国47県での発行を計画し、首都圏では横浜を橋頭堡と考えたいという。
きちんとした将来設計を立てられる子供たちを育てるためにも、さくらノートの今後が注目されそうだ。

さくらノート:http://www.sakuranote.jp/

 
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