ユーザ中心設計のすすめ(第35回)―ペルソナ法について |
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2009/07/21 火曜日 21:01:25 JST |
次期商品の企画会議です。声の大きくて威勢のよいバリバリの営業マンAさん。いつものようにAさんは企画案に対して「今回のは4年ぶりのリニューアルでしょ。だったらもっと時流にのった新機能をたくさん入れないと売り物にならないよ!先日もお得意さんからいろいろ言われちゃってね!」とコメント。まわりのみんなは勢いに押されて渋々、新機能について考えるはめに。こういったご経験はないでしょうか。ここで、Aさんのお得意さんが次期商品のメインターゲットユーザでない少数派の場合は悲劇となります。
上記のようなことが起こらないように、もっとも重要で象徴的なユーザモデル(ターゲットユーザ)のプロフィール、ライフスタイル、業務内容、考え方等を細かく記述して見える化するやり方をペルソナ法と言います。商品企画から販促まで、開発に関わる全ての部署の人が、ブレることのない同一のユーザ像のイメージを共有するために有効な手法です。
上図は、ペルソナを作成した一例です。このペルソナは、実在する人々についての明確で具体的なデータをもとに作り上げられた架空の人物です。決して開発者や営業マンの勝手な思い込みによって作られるものではありません。
ペルソナの作成手順ですが、まずアンケートやインタビュー等の調査によりユーザの特性や行動、その背景となる考え方などを明らかにし、どのようなユーザが存在するのか把握、分類します。それからその結果をもとに年齢、性別、職業、家族構成、居住地、趣味嗜好、性格などを詳しく設定します。通常はメインペルソナに加えサブペルソナと呼ばれる複数のペルソナを設定します。
さて皆さんの会社ではブレない同一のペルソナの共有ができていますか。
*参考サイト:U'eyes Designサービス案内 「ペルソナ・シナリオ法」
http://www.ueyesdesign.co.jp/service/service_persona.html
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過去記事一覧(第1回~第34回)
筆者プロフィール
鞆 幾也
(TOMO, Ikuya)
1988年 金沢美術工芸大学工業デザイン科卒業。
1990年 株式会社ノーバス設立に参画。
2003年
株式会社ジー・テック・ノーバス設立。代表取締役に就任。
(2005年10月株式会社U'eyes
Designに移管)
2005年10月から2007年9月まで株式会社U'eyes Designの上級執行役員に就任。
現在はU'eyes
DesignのUCD上級コンサルタントとシニアアドバイザーを兼務。
医療機器のプロダクトデザインを行いつつ1996年頃よりユーザインタフェースデザインの業務をスタート。
特に1998年頃から携帯電話の操作仕様設計から画面のグラフィックデザインまで数多くの端末の開発支援をおこなう。
UCD開発支援の実績としては鉄道自動券売機(オムロン製)がある。
株式会社 U'eyes Design:http://ueyesdesign.co.jp
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