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先進企業のCSR(第10回)ーインターンシップで結束するIT業界 プリント
2009/07/02 木曜日 17:41:49 JST

産業能率大学と連携し団体で"人財"を育成

■米国は新卒者の半数が経験者
就職を控えた学生は、必ずといってもいいほど「自分に向いている仕事は何か」と悩む。しかし現実は就職活動を始めて希望の会社を決めるまで、あまりにも時間が少ない。そこで生じるのが仕事とのミスマッチだろう。なかには就職してもすぐに転職を考える新卒者もいる。
そんな学生の悩みを解決する一助となっているのが、大学の実施するインターンシップ(就業体験制度)だ。教育プログラムの一環として就業体験をさせることで、自分の適性を知り、将来の仕事に明確なイメージを描きやすくなることを目的としている。仕事の実際を知ることで職業の選択の幅が広がり、自分にあった職業を見つけやすくなる。米国では新卒者のじつに過半数がこの制度を利用しているという。

■産業能率大学は延べ6000名が就業体験

いまでこそ注目を浴びるようになったも、一般的になったのは近年だ。そんななか30年近く前からこの制度を実施しているのが、自由が丘・代官山(東京)と湘南(神奈川)にキャンパスを持つ産業能率大学である。まさに草分け的大学で、これまで6000名の学生を2000以上の事業所で就業体験させた実績を持つ。同大情報マネジメント学部の小柴達美教授は「就業体験が終わると、学生の誰もが就職に対する不安が和らぎ、一皮向けた自信のある顔になる」とその効果を語る。
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一般に3年生を対象とする大学が多いなか、産業能率大学では2年生から授業として選択することができる。希望する仕事の実際を早く知れば「何を勉強すればいいのか」がわかり、学業に対するモチベーションが増すからだ。また、仕事が不向きと気がつけば早めに方向転換も図りやすいという側面もある。「社会に出るための準備があるかどうかで就活の結果は変わる」と同氏は指摘する。

■コストと手間が企業の負担に
とはいえ、この就業体験制度も学生を受け入れる企業があってこそ初めて成り立つ。学生が就業する期間は夏休みの2週間程度。しかも、就業にさいしてはマンツーマンの指導も必要となる。企業にとって優秀な人材の確保につながり、イメージもアップするが、その反面、コストや手間を考えるとなかなか受け入れることができないのが現状である。企業によってはせっかく学生を受け入れても就業体験がおろそかとなり、学生をほとんど指導しないケースもあるという。これでは何のためのインターンシップかわからないだろう。だが、その一方でIT業界のようにCSRという観点から、一企業だけでなく業界団体をあげて支援するケースもある。

■集合研修から発表会まで業界が主催
10年前から産業能率大学の学生を受け入れている神奈川県情報サービス産業協会は、インターンシップの受け入れをすべての会員企業に呼びかけ、手を上げた事業所を協会のホームページを通じて学生に紹介している。さらに就業指導は学生の集合研修会を行い、期間終了後に大学関係者を招き学生の成果発表会まで行う。業界のイメージアップと人材確保が狙いに違いないが、CSRに対する会員同士の結束なしにここまで手厚くできないだろう。
インターンシップは送り手の大学と、受け手の企業がともに志を同じにして始めて成果が生まれる。学生の多くは地元での就職を希望しており、地域経済活性化のためにも産学一体となったCSRの"人財"育成がいまこそ重要となっている。
     (取材協力:社団法人神奈川県情報サービス産業協会/産業能率大学/他)

産業能率大学 http://www.mi.sanno.ac.jp/



 
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