先進企業のCSR(第9回)―カーボンフリーコンサルティング(株) |
|
2009/06/23 火曜日 10:05:33 JST |
Co2を減らしコストも削減
差し迫る危機に業務外でも対策
■経営者はエコでもっと利益を
――デスクトップをノートタイプにする、駐車場の照明やウォシュレットのスイッチをこまめ切る、窓に断熱フィルムを貼る・・・。ほんのちょっとした工夫でオフィスのCo2が削減され、ランニングコストも引き下げられる。
「たとえば、従業員20名規模のオフィスなら紙、ゴミ、電気にほんの少し気配りするだけで20%のコスト削減が可能。経営の効率化は環境問題の解決につながる。経営者はもっと利益を追求すべき」と、カーボンフリーコンサルティング(中区海岸通)の池田陸郎ディレクターはアドバイスする。
■国連の活動にも参画
同社は総合環境コンサルティング業として2007年9月に設立。市内企業を中心に省エネ化、Co2排出量の測定、排出量取引、植林によるカーボンオフセットなどで年間100件近い案件を手がけている。こうした専門的な立場からこれまで多くのCSR活動を行い、今年4月には横浜型地域貢献企業にも認定された。
活動は多岐にわたる。そのひとつが国連の実施する"食のカーボンフリー・プロジェクト"への参加。これはインドネシアのティモール島にカシューナッツとジャトロファを植え、木の実の採取で雇用を創出し、またその油の利用で薪や化石燃料の使用を抑制しようとするプロジェクトだ。また、国内では北海道の十勝の植林活動など加わっている。
一方、横浜では市などが主催する環境タウンミーティング「イベントをエコにする」(5月赤レンガ倉庫にて開催)にもオブザーバーとして参画するほか、各種環境セミナーも開催している。
■遠い世界の話ではない
いうまでもなく、同社のCSRの狙いのひとつに企業PRという側面もある。しかし「温暖化は避けて通れない自分たちの近い将来の危機。ビジネスだけの問題ではない」という熱い気持ちが社内にはある。池田氏は「環境問題を遠い世界の話のように聞いている人も多い。たとえば横浜国際花火大会で出るゴミの削減を行えば、環境問題をより身近に感じてもらえる」と語る。
植樹などによるカーボンオフセットについても「現在は企業が中心。これを個人レベルにまで広げたい。企業のイメージアップのツールとしてだけではなく、ライフスタイルとしてなんとか定着させたい」と強調する。
■環境はビジネスになる
さらに一般の企業に対してはもっと環境をビジネスとして取り込めとも言う。「ある消火器メーカーは消化器1本あたりCo2を3kg減らす付加価値をつけたところ、ニュースとして報道され、売上増に結びついた。また戦略的に省エネ化すれば排出量取引でクレジットとして売れる可能性もある」ともアドバイスする。環境をキーワードにしたCSRで、地域から求められる企業として今後の成長が期待される。
(取材協力:横浜市/横浜企業経営支援財団/他)
カーボンフリーコンサルティング(株):http://www.carbonfree.co.jp/
(横浜型地域貢献企業認定)
|