ユーザ中心設計のすすめ(第33回)―ユーザを知るための方法 |
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2009/06/23 火曜日 09:41:22 JST |
前回のコラムでユーザモデルを把握することの大切さをお伝えしました。これは「ユーザを知ること」に他ならないのですが、どのような方法があるのかお伝えしましょう。
目的や状況に応じて色々な方法があります。それらを以下に解説します。
<観察法>
これはユーザが日常の使っている現場を観察する方法です。ユーザの自然な振る舞いを知るには一番有効な手法です。筆者は、鉄道券売機のデザイン開発の際にはこの手法で700名のユーザの利用実態を観察し、そこからユーザの困っている点、どのような問題点がシステムにあるのかを探り出し、ユーザ要求仕様を導き出しました。
<ユーザビリティテスト>
言葉のとおり、製品やシステムの「使い勝手」について調査する方法です。テストルームに実際の利用現場を再現、タスクを実行してもらうことでユーザの利用状況を観察し、問題点の抽出を行ないます。まだ発売されていないプロトタイプや家庭内で使われる製品など観察法が困難な場合にも有効な方法です。
<インタビュー>
ユーザの意見を詳細に得る際に有効な方法です。ユーザの態度だけでは得られない理由や背景など深く探ることが可能です。実施する際にはインタビュー対象者をリラックスさせるよう配慮する必要があります。
<質問紙調査>
みなさんもよくご存知のアンケート調査のことです。あらかじめ設定した質問を多くの人に回答してもらい、ユーザの意見、態度、実態を把握する手法です。郵送、面談、電話、インターネットなどによって実施されます。
<クレーム分析>
コールセンターに寄せられた製品やシステムに対するクレームを分析し、ユーザビリティの改善に役立てる方法です。これはクレーム情報だけですので「ユーザを知る」ことの一部分ですが、非常に大切な手法です。クレームや問い合わせが減少することは、コールセンターの人員削減につながります。これは、ユーザビリティの改善によるROI(費用対効果)がとても判りやすい事例ですね。
さて、みなさんの会社ではどのような手法でユーザ(顧客)を知るための活動を実施していますか。今までのやり方でよいのか、改めて実施するにはどういった手法が適しているのか検討しなおしてみてはいかがでしょうか。
* 参考文献:ユーザビリティハンドブック 共立出版
*本コラムに関するご質問、ご感想などは、お気軽に
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みなさまの声をお待ちしております。
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過去記事一覧(第1回~第32回)
筆者プロフィール
鞆 幾也
(TOMO, Ikuya)
1988年 金沢美術工芸大学工業デザイン科卒業。
1990年 株式会社ノーバス設立に参画。
2003年
株式会社ジー・テック・ノーバス設立。代表取締役に就任。
(2005年10月株式会社U'eyes
Designに移管)
2005年10月から2007年9月まで株式会社U'eyes Designの上級執行役員に就任。
現在はU'eyes
DesignのUCD上級コンサルタントとシニアアドバイザーを兼務。
医療機器のプロダクトデザインを行いつつ1996年頃よりユーザインタフェースデザインの業務をスタート。
特に1998年頃から携帯電話の操作仕様設計から画面のグラフィックデザインまで数多くの端末の開発支援をおこなう。
UCD開発支援の実績としては鉄道自動券売機(オムロン製)がある。
株式会社 U'eyes Design:http://ueyesdesign.co.jp
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