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レポート::先進企業のCSR(第3回)ー横浜植木㈱ プリント
2009/02/25 水曜日 20:05:53 JST
植える・育てる・はぐくむ
老舗企業が伝える命と自然環境の大切さ


■信用と信頼は地域社会から得られる
「ナーセリー(Nursery)」とは英語で苗木のことだ。小さな若木を植えて、大きく育てることを意味している。この言葉をキーワードに「ナーセリー憲章」というCSRの方針を決定したのが、創立明治24年の横浜植木株式会社(南区唐沢)である。
ts-090225-1.jpg花卉(かき)貿易の草分け的な存在で、開国間もない日本でオランダをはじめ海外に百合の球根や盆栽をいちはやく輸出した企業としても知られている。現在は種苗から造園緑化まで手がける総合園芸業として、北海道と静岡県には支店や研究農場を置き事業展開を行っている。
本社のある唐沢は古くから育苗などの事業を手がけてきたが、時代とともに周辺は宅地化し、それとともに同社では地域社会への貢献を強く意識するようになったという。社長の渡邊宣昭氏は「信頼や信用など、地域社会から有形無形のさまざまな恩恵を受けている」と語る。

■社長自身も「とんぼを育てる会」に参加
なかでも、多くの植物を扱う同社が感じているのは、自然の大切さや生命の尊さだ。渡邊氏は、物言わぬ生物こそ人間は見過ごしてはならないと指摘する。社長自身もこれまで、都市開発とともに姿を消していったトンボを再び増やそうと「横浜にとんぼを育てる会」に参加し、自然環境の回復に力を注いできた。また2年前、市商工会議所の所属部会にCSR委員会が設置されるとその委員になり、2008年には、市が推進する「横浜型地域貢献企業」の認証も受けた。
ただ、会社組織でCSRというまだ耳慣れない活動をするには工夫が必要だった。「企業の社会的貢献(CSR)と言っても漠然としている。これをもっとわかりやすく社員に伝えたい」と渡邊氏は考えた。そこで、自社の英語名にある「ナーセリー」をCSR活動のキーワードにした委員会を設置して、社長自らが委員長を務め、委員会は会社の各部門から1~2名の委員を選任し、1年の任期制で、すべての社員が係われるように配慮した。

■CSRの思いを込めたナーセリーとは

ナーセリーに込めたのは、植える、育てる、はぐくむ の3つの思い。それは、常に新しい種を蒔き"明日の芽"を植え、人を育て環境を整え、豊かな企業風土をはぐくむと言うことだ。
ナーセリー委員会はスタートしてまだ1年足らずだが、社員の意識は少しずつ変わってきているという。たとえばゴミの分別なども環境問題を考えて徹底するようになった。
今後は周辺の小学校に同社が生産した観賞用の植物や野菜を提供する活動を計画している。これは、植物を管理することで生物を育てることの喜びや大切さを知ってもらい、野菜を通して植物が健康の源になっているということに気づいてもらうためだ。また緑のカーテンや屋上緑化なども推進したいとし「エコロジーの観点から生活の中にもっと緑を普及させたい」と、同社では次なる目標を掲げている。
(取材協力:横浜市/横浜企業経営支援財団/他)

横浜植木㈱ http://www.yokohamaueki.co.jp
(横浜型地域貢献企業認定)
 
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