レポート:先進企業のCSR(第2回)ー(株)アイネット |
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2009/02/06 金曜日 09:11:43 JST |
「雇用が最も重要な社会的貢献」
障害者雇用に特例子会社を設立
■仕事と子育ての両立が企業の使命
企業の社会的貢献(CSR)はさまざまだが、なかでも「雇用」は大切な分野だ。企業は雇用を通して地域社会と密接に関係しており、働きやすい環境を創出し、より多くの人たちに働く場を提供することは意義深い。この分野で積極的な活動を行っているのが、業務システムや組込ソフトの開発、データの管理サービスなど行っているアイネット(横浜市西区みなとみらい)である。
平成20年7月に「かながわ子育て応援団」の認証を受け、社員の子育てを支援する企業としても知られるようになった。さらに同社では今年から障害者の積極的な雇用にも乗り出す。4月には「特例子会社」を設置し年度内に正式な認可を受ける計画も進めている。特例子会社とは障害者が就労しやすいように環境を整えた別会社のことで、国の「障害者雇用促進法」に基づく法人である。
■子会社で障害者に雇用機会を提供
じつは社員56名以上の企業の場合、法律で全社員の1.8%以上の人数の障害者を雇用するように定められているが、さまざまな問題から実際にはほとんど実行されていない。特に知的障害者や精神障害者は雇用の機会が少ないとされている。
そこで同社は、この問題を改善するために自社の業務内容を検討し、データパンチ(データ入力)などの仕事を任せられないかと考えた。五十嵐文明常務取締役管理本部長は「特例子会社設置後は6名を採用し、まず当社のデータセンターで仕事を覚えてもらう。そして、作業に習熟すれば他社の仕事も受託業務として行えるので、将来は従業員数十人規模の特例子会社に育ててみたい」とする。またこの他の仕事についても企業が大量に買い換えるパソコンの再インストール作業や、データの消去作業などを検討したいという。
■環境負荷低減で会議はペーパーレス化
一方、同社はCO2の削減にも力を入れている。すでにISO14001(環境マネジメントシステム)も取得し、業務の省資源化、省エネルギー化を図っている。たとえば会議のペーパーレス化、パソコンの非使用時の省エネモード化などを実施し、会議の資料は事前にパソコンの共有ホルダに入れて、出席者が必ず閲覧してから会議に参加している。これによりコピー用紙などが大幅に削減された。
5月の稼動を目指して建設中のデータセンターについても、エネルギー管理システムの導入で空調などの省電力化し環境負荷の低減を計画している。予定通りの数値目標が達成できれば、既存のデータセンターと比べて大幅にエネルギーの消費量を削減できるという。
同社はCO2を6%削減(90年比)する国民的プロジェクト「チーム・マイナス6%」に参加しており、環境経営にも積極的だ。横浜市は国の「環境モデル都市」としても認定されており、そのシンボル企業のひとつとしても今後が注目されそうだ。
(株)アイネットアイネット:http://www.inet.co.jp/
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