目指せ!横浜ビジネスグランプリ(第9回)応募者に聞くー㈱ハートセラピー 柳原里枝子社長 |
|
2008/12/23 火曜日 10:14:05 JST |
会員制でメンタルヘルケアをトータルで提供
出張カウンセリングで心の病を未然に防ぐ
■"心の病"で毎年3兆4700億円が失われている
ある調査によると、日本の企業のおよそ6割で従業員の「心の病」が増加傾向にあるという。さらに、これをおもな原因とする睡眠障害で、日本経済は毎年3兆4700億円の経済的損失を被っているとされている。
なかでも近年急増しているのが「うつ病」だ。うつ病は症状が軽度ならまだしも、重症になると患者は家に閉じこもりがちとなり、会社を長期間にわたり欠勤することも多い。さらに症状が悪化すると自殺に至ることすら起こりうる。
こうした心の病は周囲のひとの接し方や職場環境が変わらない限り、症状が改善しても完全な復帰は難しいとされている。㈱ハートセラピーはこの病気と正面から立ち向かい、予防と復職のためのケアを関係者らとチームを組むことで支援している。
■会員制ならコスト負担が軽減できる
うつ病を克服するには、ノウハウを持つ医師やカウンセラーなどの専門家が必要だが、企業が単独で行うにはそのコストを負担しなければならない。このため、実施できるのはこれまで一定規模以上の企業に限られていた。
そこでハートセラピーでは、単独でコスト負担をせずにすむよう会員制を導入し、さらにその予防から取り組めるように、従業員の心の診断から職場改善のコンサルティングまで、メンタルヘルスケアをトータルで提供したのである。
現在、従業員数50名以上の企業には産業医を置くことを義務付けられているが、メンタルヘルスを専門に行うカウンセラーはおらず、また大半の中小企業はうつ病の克服や予防にはまったくノウハウがないのが実状という。
■うつ病は9割が再発
同社の代表を務める柳原里枝子氏は、うつ病の現状をこう指摘する「一度、休職してしまった人を職場復帰させるのは容易でない。主治医、職場、産業医、人事担当者、家族といった周囲の人の連携が必須だ。これが十分でないと本人の復帰は遅れるばかりか、場合によっては復帰する意欲すらなくなってしまう。実際、うつ病は対応を誤ると9割の患者が再発する」
そこで、多くの企業は従業員のうつ病対策にメンタルヘルスのセミナーなどに参加し、専門家の意見なども聞くようなことも実行している。しかし復職支援については十分ではなく、どちらかというと対処療法的な対策が中心になっているという。
■メンタルヘルスは経営変革活動だ
ハートセラピーは会員会社の職場診断から改善のためのコンサルティング、従業員への出張カウンセリング、社内セミナーまで、その企業の中に入って継続的に行うことを特徴としている。そこで必要ならば上司、産業医、医師、家族などと連携し本人が復職しやすくなるような環境を整える。
柳原氏は「メンタルヘルスは企業のリスクマネージメントという観点だけではなく、経営変革活動の一環として考えるべき。対策には"ケア・復職支援"に加えて、ストレスの根源を潰す"職場の環境改善"とストレスに負けない"人材の育成"の3本柱を確立して、組織の活性化を図ることでストレスを溜めにくい職場を作ること」と語る。
同社は2008年5月に設立したばかりの会社だが、現代社会に求められるメンタルヘルケアの新しいビジネスモデルとして認められ「2008年横浜ビジネスグランプリ」のファイナリスト、「川崎ビジネスオーディション」を受賞している。
現在、提携を含めて6名のコンサルタントが活躍し、上場企業、大学、行政などがハートセラピーの会員になっている。ストレス社会といわれる今日、企業やオフィスパーソンにとって救世主となりそうだ。
㈱ハートセラピー:http://heart-therapy.biz/
横浜ビジネスグランプリ公式サイト:http://www.danzenyokohama.jp/ybg/top.html
過去記事
・目指せ!横浜ビジネスグランプリ(第8回)インタビュー・㈱テクノラボ
・目指せ!横浜ビジネスグランプリ(第7回)2009年の特徴とは
・目指せ!横浜ビジネスグランプリ(第6回)2009年の募集内容決まる
・目指せ!横浜ビジネスグランプリ(第5回)"ブラシュアップ"とは?
・目指せ!横浜ビジネスグランプリ(第4回)
応募者インタビュー
・目指せ!横浜ビジネスグランプリ(第3回) 審査員インタビュー
・目指せ!横浜ビジネスグランプリ(第2回)
2008年の審査結果
・目指せ!横浜ビジネスグランプリ(第1回) 注目される理由
|